8.6ヒロシマにて。

 七十年前のあの日に、現場で看護婦長として救護の陣頭指揮をとられた方を、かつて自分は整体させていただいたことがあります。


 ここでは書けないほどの、壮絶な救護活動のお話をしてくださいました。


 “水をください・・・”


 口々にそう訴える負傷者の方へ、いけないと分かっていながらお水を与えると、


 “ああ、美味しかった・・・”


 と言われて、次々に息絶えていかれたそうです。


 “この手で何十人もの方を殺してしまいました・・・”


 本当に小さなお身体をさらに丸め、そう言われてうなだれたこの方のお顔を、自分は決して忘れないと思います。